2016/11/15
天保時代の地図皿 古伊万里コレクターにはブランド品みたいなものでしょうか。
ブランドとなれば一枚は欲しいですよね。
というわけで天平堂さんから一枚いただきました。
天保の地図皿としては多分最もオーソドックスな形状の角皿で海の表現も青海波です。
ブランドとなれば贋物が出回るのは当然の理です。
ひょっとしたら伊万里もので一番偽物の多いアイテムかもしれませんね。
最近の伊万里贋物はそれなりに出来が良いようで、とても知らない人からは買えません。
天保時代は1830年から14年間となりますが、この高台の銘が地図皿の代名詞のようになっていたとも考えられますから天保以前はないとしてもそれ以後のいつ頃のものかは疑問が残ります。
この頃には伊能忠敬の日本全図をはじめとして、既にかなり精度の高い地図が作成されていたのですが、これらは全て幕府の最高機密として一般の間には公開されてはいなかったようです。
この皿が大量に作られたということはそれだけ需要があったということですからやはり人気商品だったんですね。
ひょっとするとこのあたりから、初めて外国というものを意識し始めて、日本国の大きさみたいなことが一般に意識されるようになったのかもしれませんね。
地図上の小人国や女コ国などの話はMicnoskiさんのブログに詳しいので、ご紹介します。
http://micnoski.blog.fc2.com/blog-entry-44.html


お約束の天保年製もしっかり書いています。
青海波のような単純な線を淀みなく描いていくというのは大変でしょう。
あまりよろしくないものを見ると、こういう単純な繰り返しの部分に案外破綻(ためらい)が見られるように思います。
中には大変達筆な文字で書いているものも見ます。でも草書体とか行書体はいけないですよね。


地図面全体が型押し成形となっているのがよくわかります。



