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栗鼠葡萄置物?? いやいや水滴でした

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大きな(直径35㎝あります、ビッグでしょ)馬の目皿の真ん中にネズミの置物があるように見えませんか?

店主には、これは栗鼠の置物です、と言われました。
咥えているのはよく見ると葡萄です、葡萄とくれば当然のごとく栗鼠ですよね。
でも、、、それは分かっているけど、、、パッと見 やっぱりネズミに見えちゃうね!!

店主曰く、尻尾を見てください。先っぽがフサフサしてるでしょ、だから栗鼠ですよね、栗鼠の置物です。
ネズミが葡萄を咥えるはずがないので分かっちゃいるけどどうしてもネズミに見えちゃう。

こんな風に写すと暗闇から顔を覗かせたネズミに見えませんか??

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裏側から見るとこれはもう絶対に栗鼠ではありません。シロクマの子供が鮭でも咥えてるような、、、、、

焼成時に空気抜きが無いと割れるので 後ろ足の上あたりに穴があるんですとも言われました。
確かにあるね、空気穴みたいなものが。

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後ろから見たってやっぱり栗鼠じゃないね。

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この角度で見ると店主の言う尻尾の房がよく見えます。
ウン、これはたしかにネズミの尻尾じゃないですな。

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ということで、これは立派な栗鼠ということにしましょう。

ただこれ、売り手の店主はホントに置物と思い込んでいたようです。私もチョット見で気に入ったものだから置物として買ってきました。

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例によって汚れ落としのハイター漬け3日間。
すっかり綺麗になったところでじっくり観察して、色々見えてきました。

これは置物にもなりますが水滴です。それ故に体型がこんな太った栗鼠になったんです。
頭から尻までフラットなので肥満体に見えるんですが、そうしないと器の底に水が溜まらないんですね。
この体形では栗鼠の軽やかな動きのイメージが湧きません。

ところで、上のような平戸置物の下絵を見つけました。御置物というタイトルです。

これなら葡萄に乗った栗鼠と一目でわかります。この現物が見てみたいですね。
色指定も素晴らしいです。
栗鼠は白、葡萄の葉は瑠璃色、葡萄の実は青磁と彩色指定があります。いいですね。

それはともかく、さてよく見てみましょう。

体長は9㎝ 高さは3.5㎝です。

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鼻先に当たりによる釉ハゲがありますが本体の欠けは無いので気になりません。ほぼ完品です。

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上から見ると二つの型で作られたことがわかります。
この写真で見ると上下二つですね。合わせ目のラインを消すようにヘラを当てたので毛並みの模様が一緒に消えてしまっています。耳は後付けです。

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底は無釉です。合わせ型のラインがハッキリとわかります。
肌理の細かい綺麗な素地です。

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目がいいでしょ、この部分だけ無釉にして黒目の部分に鉄釉を落としています。
まるでガラス玉が入っているようなリアルな目になっています。

葡萄の枝が中空になってそこから水が出ます、とても綺麗に出ます、だから水滴。
この枝は型抜き後のボディに後付けでつけています。型じゃ抜けないですもんね。

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咥えているのは実の付いた葡萄の枝、ここは一体型で抜けますね。この枝の根元が注ぎ口です。

それにしてもいい加減な塗り分けですよね。
これでは平戸藩窯品とはとても言えないですね。 幕末あたりの生まれでしょうか。

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この穴がないと水滴にはなりません。

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毛並みの表現は型に彫り込んでいただろう事がこのいい加減な釉薬の掛け残しのお陰でよくわかります。

型から抜いた後で毛描きをすればもっとシャープに出るんでしょうが。
この辺りも盛期の一点物じゃないということが見てとれます。

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やっぱりこの目はいいです。

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