2019/07/15
北斉時代 如来立像残欠
中国北斉時代(550年ー570年)の如来立像の胴部残欠です。像高=75㎝
廃仏毀釈によって頭部を壊され腕を折られ、打ち捨てられ、更に後年掘り出されて彩色されて再び祀られたものが数度にわたる廃仏毀釈でまた打ち捨てられるという歴史を経てきたものでしょう。
この像は今年1月にご紹介した如来頭部残欠と一緒に掘り出されたもので、見事に断面が一致します。





この如来様は偏柦右肩式と言われる、薄い衣紋を左肩から右脇腹にかけて線刻で表現されたものですが、注意深く見ると、後年の発掘補修の際に両肩から薄緑色に彩色されたV字の衣紋が描かれていることがわかります。






2000年に東博で開かれた中国国宝展の図録no.134、如来立像の衣紋線の表現にこの立像の衣紋線は大変良く似ています。

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