2020/10/22
黄釉鳳首瓶 唐時代

唐の時代に作られた瓶だという
一見、白磁のようにも見えるが黄釉が全面にかけられている希少な作品

ササン朝ペルシャからシルクロードを経て渡った金属器やガラスの器がその原点なのか
ヨーロッパでも日本や朝鮮でもない
いかにも中東の雰囲気を強く感じる作品だ

注ぎ口は鳳凰の頭部、把手は蔦のような造形
ボディは片方に狩猟文、もう一方には鳳凰文を型押ししている
この文様は鳳首瓶の定番だという


調べてみると これと同じ文様、造形の瓶が唐三彩では
出光美術館や平山郁夫シルクロード美術館、ポーラ美術館、MIHO MUSEUM、天理参考館など
多くの美術館に所蔵される
中でも天理参考館のものは藍彩が大変に美しい

サイズもみな概ね同じようである、本作も高さ32㎝
やはり三彩が普通で単彩のものは見当たらない


実用品ではなく副葬された品とも、祭事に使用されたとも
7世紀頃の盛唐期から千数百年もの間土中にあったため、一部に風化は見られるものの
釉肌も生きており、高台の一部に欠けがある程度で状態は良い




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