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平戸七人唐子松牡丹図大徳利

平戸藩窯最盛期のものと思われる七人唐子図の大徳利です。

得意の細工に頼らず、形と文様だけでこれほどの風格を漂わせることができる平戸藩窯の奥深さを見せつけられる思いです。

平戸の唐子が欲しいなと思っていた頃にサザビーニューヨークオークションに出品されたものでしたから一も二もなく応札しました。

『三川内焼を代表する唐子焼は、唐風の服装の子どもが松の下で牡丹に飛ぶ蝶と戯れている模様で、七人の唐子は朝廷や幕府への献上焼、五人唐子は藩用、三人唐子は一般用と云われていた。』
(佐世保の歴史より引用)http://www.city.sasebo.nagasaki.jp/rekisi/08/08_05.htm

この徳利が献上品であったかどうかはなんとも言えませんが、さもありなんと思える品格を備えています。
徳利の形をしていますが、飾り壺というに相応しいですね。
平戸唐子01平戸唐子02平戸唐子04

岩や牡丹、松なども大変 精緻に淀みなく描かれてい ます。
この大きさでこれだけ精緻に書き込んでいるにもかかわらず、煩い感じはありません。平戸特有の薄めの藍の線描と優しい肌ががそうさせているのでしょう。

平戸盛期の肌合いは江戸末頃の製品と比べるとしっとりして、初期伊万里にも近いような柔らかさを感じます。
平戸唐子05

首周りに瓔珞文を配しその上に薄濃のぼかしを入れています。
瓔珞文は唐子図では現代に至るまで約束事のように描かれていることが多いのですが、これほどに完璧なものは多くはないでしょう。

同じく藩窯の鍋島櫛高台とも通じる完璧さだと思います。


藩窯盛期の唐子童子は顔がいかにも異国情緒溢れる品格を漂わせています。
時代が下がるにつれてこれが日本の童顔になり、瓔珞文や背景の松などが簡略化されていき幕末以降の唐子図はマンガ風になってくるように感じます


高台の中にコレクションシールがあります。ニューヨークをベースに活動していた古美術ディーラーのようですが詳しいことはわかりません。
特に浮世絵関係の扱いが多かったようですが、そのMICHAEL TOMKINSONのシールだとしたら100年ぶりの里帰りということになるんでしょうか。
ネットで調べたくらいではわかりません。
このコレクションシールがどういう由来のものか知りたいものです。

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