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北宋時代 青白磁瓜型水注

北宋(11-12世紀)時代の青白磁瓜形水注です。青白磁(影青インチン)というにはいささか青みが足りない気もしますが、蓋の秞溜まりをみるとやはり影青で良いと思います。

8本の縦筋をいれた瓜形の胴部には、細長い注口と、平紐状の把手が付き、紐などを結んで使用するために蓋と把手には環が付います。環は残念ながら把手側に欠損が有り、口辺にも3カ所欠けがありますが発掘品としてはまずまずの状態で、上秞の薄い部分には若干の汚れが入ってはいるものの、秞の艶も大きく損なわれず状態としては良いと思います。

胴の一部に下手な補修跡があります。たぶん中国で発掘(盗掘)した業者が直したのでしょう。入手当時、ひっつきの跡かとも考えましたが、考えてみれば宋代のこの手のものにそのような不完全な物があるとは思えません。

この品は、中国が国内のインフラ整備で地中から古代の美術品が大量に発見されたころに各地で組織的な盗掘が始まり、それらが日本に大量流入した1980年代に入手した物です。それまで高嶺の花だった中国の古美術品がこの時期大きく値崩れし、少し無理すれば一般のコレクターでも購入できるようになった頃ですね。
勿論本当に良い物は別ですが中級レベルのものは一気に値下がりしたようですから在庫を抱えた業者さんは大変だったでしょうね。

中国古陶磁ファンにとっては夢のような時代だったのかもしれません。現在では発掘が制限されているので市場には出てきません。

あの頃の日本は伊万里、柿右衛門、鍋島等が高騰している時期で、当時の日本の業者は里帰り品と称して昔欧州へ渡ったこれらの品物を競って買っていたようです。まさに今の中国富裕層の人達が金に糸目を付けずに日本に買い付けに来ている現象と同じですね。日本には中国の古美術品の名品が多いのです。

残念ながら私はその頃中国物には目覚めていなかったため、殆ど入手していません。
当時は勉強しながら頑張って買える範囲内の好きな伊万里など手に入れていたのですが、結局一番高いまさにバブル価格での入手ですから、今では惨憺たるものです。伊万里の価格があの当時に戻ることはもうたぶん無いでしょう、私が買えない名品は別として。

泣き言になってしまいましたが、そんなことで今日はこの瓜形水注のご紹介です。
宋瓜形水注1
宋瓜形水注2

胴の部分の直しがいささか残念ですが。
宋瓜形水注3

ネットで瓜形水柱を検索するとこの手の物がいろいろ出てきますが、私はこの細長いタイプが好きです。
宋瓜形水注4

蓋の秞溜まりに影青の雰囲気が感じられます。
この部分を見ると、白磁とは言いにくいので青白磁で紹介しました。
宋瓜形水注6

薄手の口造りですからこのくらいの欠けは良しとします。
宋瓜形水注7

長く土中であったための汚れが秞の下に入ってしまいます。こうなると汚れを抜くことはできないですね。
宋瓜形水注11
宋瓜形水注10
宋瓜形水注9
宋瓜形水注12

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