絵志野隅切四方向付

ご覧いただくように、呼び継ぎの大傷ものです。

桃山期の絵志野で完品ともなればとてもても入手は困難です。
この品は呼び継ぎという大傷ものだから私の手元に来ることができました。

やや大振りな向付で(11.5㎝×6.5㎝)しっかりとした存在感のある素晴らしい桃山時代の絵志野です。
(美術史では1615年(慶長20年)の豊臣氏滅亡までを「安土桃山時代」と称するのが一般的である。Wikipedia)

完器だったものが破損して継いだものではなく、窯跡からの発掘陶片を丹念に揃えて呼び継ぎとしたものでしょう、
半分以上は同じ器の陶片が使われていて、寄せた他の陶片も同じ窯跡の極上のものが使用されています。

陶片自体のそれぞれに見所があり、物原に捨てられてから400年の眠りから覚めて、とても魅力的な器に生まれ変わっています。

氷砂糖のような厚手の衣を着た志野よりは、程よく長石釉の掛かったこの器のような志野が好きです。

ここまでにした人の努力と情熱には敬服するばかりです。

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口縁に出た緋色の美しさは格別です。

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この器の最高の見どころ。
志野の柔らかな白と口縁の緋色の対比、釉の下に現れる柔らかな鉄絵。

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荒川豊蔵さんが平凡社の陶磁大系11の志野 黄瀬戸 瀬戸黒編で書かれた一節に
「志野の特色は、その白い、たっぷりと施された長石釉が、淡雪のふりつもったように、ふんわりと落ち着いた光沢を放ち、ところどころに緋色という、志野独特の調子の高い薄紅色が、その柚子のようなほつほつアバタのある肌に、自然ににじみ出ているところにある。(中略) たしかに志野は、あらゆる陶器のうちで、もっとも日本的なやきものであるといえる。」と記されています。

口縁の緋色が実に美しい。

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総釉で土見せの部分がない向付ですが、陶工の指跡で上釉が薄くなっているところでモグサ土のさくい感じが伝わってきます。

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